■写真1枚目:岩万燈を押し合う前に「亀田木遣り」を唄う担ぎ衆たち
■写真2枚目:岩万燈の押し合い。数秒で決着がつく。
■写真3枚目:祭りの間、鳴り続けているお囃子の笛
故郷の夏祭り亀田の岩万燈(いわまんどう)に合わせて帰省。
もともと夏に帰省するという習慣はなかったのだけれども、観たくなったのです。
小学生の頃は毎年祭りに行っていましたが、中学以降は行ったような行ってないような、あいまいな記憶しかないけれども二十数年ぶりに岩万燈を観覧。
高さ4mを超える、岩を模した二つの大きな燈籠それぞれに歴史上の人物を乗せて押し合い、勝利した側が先に神社へのお参りができるというもの。
子供の頃は、屋台で買い食いができて夜遅くまで友達と遊べることが祭りの楽しみで、岩万燈は酒のニオイをぷんぷんさせた大人が騒ぐ(時に殴り合う)モノくらいの認識でした。
しかし、あらためて調べるとあの独特の「間」で朗々と歌い上げる唄に「亀田木遣り」という名がついていることやその歌の意味、祭りの意味が理解できて岩万燈がまた違ったモノにみえました。
二十数年ぶりの岩万燈の押し合いは子供のころよりも迫力を感じる、不思議な感覚。
ときおり雨脚が強くなる悪天候でしたが、20時半頃の岩万燈の押し合いでは傘が要らないくらいに雨が弱くなって写真を撮りやすいコンディションになってくれました。
郊外には大型商業施設が建ち、神社の参道を中心に形成される昔ながらの商店街は客が奪われて店がところどころ無くなって駐車場になっています。
平成の大合併で亀田という住所表示はほとんどなくなりました。
それでも、伊勢神宮の遷宮に端を発し木材など物資の水運で栄えた地域で重い物を運ぶ労働の唄「亀田木遣り歌」や、織物が盛んで亀田縞といわれるブランドを支えた粘り強い女性の唄「亀田甚句」など、一地方の小さな地域の歴史・文化・伝統を継承している方々がいらっしゃるというのは素晴らしいことだと思います。